PressRelease国産漆を次の世代へつなぐウルシネクストプロジェクト始動

Press Release

平成30年10月28日

各 位

国産漆を次の世代へつなぐ「ウルシネクスト」プロジェクトについて

このたび、一般社団法人次世代漆協会が設立されましたのでご報告致します。
日本の漆を増やそう、漆を活かそう、漆を使おう、漆を残そう、この4つのビジョンを元に「ウルシネクスト」プロジェクトを立ち上げ、その一環として一般社団法人を設立しました。今春にはNPO法人の設立も予定しています。漆を育てるところから、漆を使って生活や社会をより良くするところまで、いわゆる川上から川下までのイノベーションを目指す活動です。

1 背景

戦後、石油化学の発展などから天然漆の需要は大幅に減少、さらに高価な国産漆から比較的安価な中国産漆への移行が進み、今や国内で使用される漆に占める国産漆は2%で、98%を中国産に頼っています。
また、神社仏閣を中心とする日本を代表する歴史的建造物には漆が使われており、継続的な修復によって維持、保存されています。日本の漆を使って作られたものは日本の漆を使って修復することが基本です。国は国宝や重要文化財建造物の修復には国産漆を使う方針を示し、必要な国産漆の量を年間2トン超としていますが、現在の国産漆の供給量は約1トン程度しかありません。
国内各地の伝統工芸や漆器製造においては、使われる漆のほぼ全てが中国産漆で、国産漆は使いたくても手に入らないという状況です。日本は江戸時代から中国や東南アジアから漆を輸入し、国産漆とブレンドして使うなどしてきた歴史がありますが、現状は過度に中国産漆に依存しています。

2 ビジョン

ウルシネクストプロジェクトでは、4つのビジョンとして設定しました。

1)国産漆を増やす

国宝や重要文化財の継続的な修復のための漆を安定的に確保し、中国産漆に過度に依存した脆弱な産業構造を解消し、将来に渡って漆の文化をしっかりと継承・発展させていくためには、国産漆の生産を増やし自給率を高める必要があります。ウルシノキを増やすことから、漆液を採取し精製し漆として流通させるまでの一連の工程を最適化したいと考えています。

2)漆を活かす

環境を汚染せず、再生可能で、安全安心な優れた素材である漆は、現在世界が抱えているさまざまな問題の解決にもつながる、極めて優れた希望の素材です。化学合成素材に過度に依存した社会から脱却し、天然の恵みを有効活用し自然と共生した社会への転換を図るためにも、漆を使ったものづくりや新たな用途開発など、漆の利用を促進したいと考えています。

3)漆を使う

漆の生産を増やし漆製品が増えても、消費が増えなければこのサイクルが回りません。漆を使った製品を使うことは、ゴミを減らし、環境負荷を減らし、安全・安心なオーガニックな暮らしを実現します。現代のライフスタイルに合った新しい漆との関わりや生活への取り入れ方などを提案し、自然と共生したライフスタイルを促進したいと考えています。

4)漆を残す

縄文時代以降、日本人は漆を植え、育て、掻き、そして様々なものに活用してきました。これらから未来に向けて新しい漆との関係を築いていくためには、これまでの日本人と漆との関係の歴史やそれを支えてきた道具や技術、資料といったものを保存し、人材も育成して、次の世代に日本の漆をしっかりと継承していきたいと考えています。

3 今後の活動

(1)漆の増産

漆畑用地の確保、漆の育苗、漆の植栽、漆を植栽する活動の支援・請負

(2)漆の新しい技術開発

永続可能な漆採取技術、低コストな漆液生産技術、漆の長期保存技術

(3)漆の活用の拡大・促進

漆を使った商品開発、漆の用途開発

(4)漆を通じた新しいライフスタイルの提案

漆製品の利用の促進、漆に関する広報活動、セミナー、ワークショップ
人々や社会と漆との接点を広げる活動

4 社団法人の概要

社団法人次世代漆協会(2018年10月5日 設立登記)

  • 代表理事 細越 確太
  • 理事 柴田 幸治
  • 理事 松沢 卓生
  • 顧問 大沢 英夫

ウェブサイト https://www.urushinext.org/

【本件についてのお問い合わせ】
一般社団法人次世代漆協会 理事 松沢卓生(㈱浄法寺漆産業 代表取締役)
〒020-0015 岩手県盛岡市本町通3-6-1
TEL:019-656-7830 Email: matsuzawa@urushinext.org

PDF:ウルシネクストPress Release 次世代漆協会設立 20181028

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