漆(うるし)は縄文時代から日本の生活や文化を支えてきた、環境負荷の低い天然素材です。漆は特別な工芸品のイメージがありますが、素材として様々な分野に応用できます。漆の恩恵をもっと身近に、より多くの方々に可能性を知っていただくため、天然素材「漆」でSDGsのバッジとアートパネルを作りました。

「漆」はウルシノキという樹木から採れる樹液です。漆塗りの「漆器」はよく知られていますが、日常生活ではあまり馴染みがないかもしれません。しかし、縄文時代から日本人の生活や文化を支えてきた縁の下の力持ちと言ってもいい存在です。

漆は時代を問わず、工芸品、仏像、社寺建築、芸術品など日本の歴史と文化を象徴するものに使われ、多くは国宝や重要文化財として世界中の人々を魅了しています。英語で陶磁器のことを「China」というように、漆器は「Japan」と呼ばれるほど、漆は日本の文化を象徴する素材なのです。

漆は高機能なすごい素材!

漆は塗料、接着剤、硬化剤と広い使い道があります。また優れた特性を持っています。一度固まった塗膜は熱、湿度に強く、堅牢かつ強靱で、ガラスと同じぐらいの硬度があると言われています。また酸やアルカリにも侵されず耐薬品性に優れています。さらに高い抗菌性を持ち、一旦乾燥してしまえばアレルギーを引き起こすこともないなど安全・安心な素材です。

国宝や重要文化財が長い年月を経ても今日にあるのは、こうした漆の優れた性質も大きく貢献しています。

漆はサステナブル!

漆は「環境を汚染しない」「ゴミを減らせる」など、日本が誇るサステナブルな素材であり技術です。

再生可能な資源です

漆はウルシノキという樹木があれば採取できます。ウルシノキを適切に育てて管理すれば、枯渇することのない再生可能な資源です。

エネルギー消費はごくわずか

漆は採取から精製、そして塗り、乾燥という最終工程に至るまで、大量の水や電気を消費するということがありません。

環境を汚染しない

漆は海に流れ込めば紫外線と海水で分解され、プラスチックのように残って環境を汚染し続けるようなことはありません。環境負荷軽減につながります。

里山が保全される

ウルシノキは山奥ではなく里山で育ちます。ウルシノキを植えることで里山が保全され、適切な水環境の維持、自然災害の防止、生物多様性の確保、獣害対策などにつながります。

ゴミを減らせる

漆器は修理しながら長く使うことができます。漆器を使うことはプラスチック製品の使用抑制につながると共に、ゴミを減らすことにつながります。

CO2を削減できる

未利用地、耕作放棄地などにウルシノキを植えることはCO2の削減につながります。

漆の活用で課題解決

漆の活用によって、「山林、森林、水源地などの保全」「雇用の創出や地域産業の活性化」「住み続けられる街づくり」「都市を支える農村部の健全な発展」「ゴミをできるだけ出さないライフスタイルへの転換」「プラスチック製品の使用抑制」「予防、削減、リサイクル、リユースによる廃棄物排出量の削減」「CO2の削減」など、多くの課題解決につながります。

漆で未来を変えたい!

サステナブルで優れた特性を持った漆ですが、それを取り巻く状況は今、大変厳しいのが現状です。国内自給率わずか3%、従事者の高齢化、後継者不足などにより、危機的に脆弱な産業構造になっています。

自然の恵みを上手に活かし、モノを長く大切に使う文化、自然と共生した日本人の生き方の象徴でもあった「漆」は、便利さや効率と引き換えに、いつしか私たちの暮らしから遠いところに追いやられてしまいました。

しかし漆にはこれまで持続可能な社会や文化を創ってきた先人達の多くの知恵が詰まっています。先人達の自然と共生した生き方に様々な問題を解決する可能性を感じています。

私たちはサステナブルな天然素材「漆」とそれを活かしてきた先人の知恵をもっと身近な存在にし、漆の恩恵を多くの方が享受できるようにし、持続可能な社会の実現であるSDGsの達成につなげていきたいと思っています。

そこで私たちは漆を使い、SDGsのバッジとアートパネルを作りました。

「漆SDGsバッジ」「漆SDGsアートパネル」によって、SDGsについてのアイデアやコミュニケーションが生まれ、自然と共生したライフスタイルが促進され、そして漆について関心を寄せていただける機会が増えることを願っています。

SDGsバッジは本体も17色も全て漆でできています

「漆SDGsバッジ」の製作にあたっては、乾漆研究の第一人者である宮城大学の土岐謙次教授の協力を得て完成させることができました。

バッジ本体から17色表現まですべて漆で製作しており、漆特有の光沢と質感、深みのある色合いが特長のバッジに仕上がりました。

乾漆(かんしつ)とは?

乾漆とは、漆で造形を作る技法で、麻布や綿布などを漆で固めたものです。今で言うFRP(繊維強化プラスチック)の作り方と原理は同じですが、はるか1300年前にこの技法を実現しています。興福寺の国宝阿修羅像が代表例で、バッジ本体はこの乾漆技法で作られています。

乾漆造形を特殊な技法によって板状に成形し乾漆シート(注)を作ります。綿布を漆で固めた天然素材100%の板材で、これがバッジの本体を形成します。一見プラスチックのように見えますが、完全にプラスチックフリーの板材です。
(注)乾漆シート製法:宮城大学土岐研究室が特許出願済(特願2019-230700)

出来上がった乾漆シートをレーザーで切り抜き、線刻を施して、漆塗りの前のベースを作ります。

SDGs17の目標を表すカラーホイールも漆で再現!

漆は一般的に黒色や朱色、溜色(飴色)が多く、17色もの色を塗り分けるには、熟練した技術を必要とします。漆職人がバッジ一つひとつを丁寧に手仕事で仕上げていきます。

漆SDGsバッジの仕様

  • サイズ(本体):直径25mm、厚み1mm
  • 素材(本体):漆+綿布
  • 留め具:マグネット式(ネオジウム磁石)

※写真は梱包イメージです。

漆と天然木、そして伝統の技が光るSDGsアートパネル

木と共に生きてきた日本

森林資源に恵まれた日本の文化は「木の文化」と言っても過言ではありません。後の世代のために木を植え大切に守り、余すことなく利用し、木と共に持続可能な社会を築いてきたのです。

伝統技法「網代編み(あじろあみ)」

日本人は木を様々な技で活かしてきましたが、薄くスライスした天然木を和風模様に編み込む「網代編み」もその一つです。網代編みは落ち着いた和風の雰囲気を作り出し、日本人の美意識と感性そして心を伝えるものとして和風建築に美を添えてきました。

網代編みは職人の手作業で作られます。

自然素材と伝統の技が光る

SDGsアートパネルは、それまで天井など限られた場所で利用されてきた網代編みを、様々な場所や用途で使えるよう改良した製品「Almajiro(アルマジロ)」を開発した株式会社丸松銘木店(秋田県能代市)の協力を得て、天然木の木肌と伝統的な文様が美しいパネルに、バッジ同様に17色全てが漆塗りのカラーサークルをつけて、SDGsアートパネルを完成させました。

SDGsアートパネルの仕様

・サイズ:①30cm×30cm ②45cm×45cm ③60cm×60cm 以上3種類から選択可
・素材:ウォールナット、スギ、ヒバ、オーク、ヒノキ 以上5種類から選択可
・デザイン:市松編み、石畳編み、ダイヤ編み、矢羽根編み、ヘリンボーン編み 以上5種類から選択可

収益は漆の振興に活用させていただきます

私たちNPO法人ウルシネクストは全国にウルシの森を作り、漆を増やし、漆の利用・活用を促進するといった活動をしています。「漆SDGsバッジ」「漆SDGsアートパネル」の収益はウルシネクストの活動費として活用させていただきます。

日経クラウドファンディング「未来ショッピング-SDGs特集」に出展中

日経新聞社のクラウドファンディング「未来ショッピング-SDGs特集」に出展中です。

漆をSDGsの達成につなげていきたいと思い、天然素材「漆」で作るSDGsのバッジとアートパネルを作りました。

期間は11月13日の「うるしの日」までです。

収益は、ウルシネクストの活動費として植樹など漆の振興に活用させていただきます。
ご支援をよろしくお願いいたします!