NPO法人ウルシネクスト
NPOウルシネクストは、みなさまのご支援でウルシの苗を育て野山に植樹して漆の森を作っています。
漆の森は日本の文化と自然環境を守ります。
漆は縄文時代から器や耳飾り、首飾りなどに使われ、以降、法隆寺玉虫厨子、唐招提寺鑑真和上坐像や興福寺阿修羅像、正倉院御物、厳島神社、平等院鳳凰堂、東大寺、中尊寺金色堂、金閣寺、日光東照宮といった数多くの仏像、工芸品、寺社建築などに使われ、日本の歴史、文化、芸術を形作ってきました。
近世以降は、漆でしか作り出せない漆黒と呼ばれる深い黒色や蒔絵など繊細な装飾がヨーロッパ人を魅了し、日本を象徴する輸出品としても活躍してきました。一説には陶器がChinaと呼ばれるように漆器はJapanと呼ばれていたと言われています。
漆なくしては日本を語れないほど、漆は日本人に深く関わって来ました。
日本で使われている漆
戦後、石油化学の発展、ライフスタイルの変化などから天然漆の需要は大幅に減少しました。
さらに高価な国産漆から比較的安価な中国産漆への移行が進み、現在国内で使われる漆の97〜98%が中国産です。
自給率2〜3%となってしまった国産漆もほぼ全てが国宝や重要文化財の修復用に使われるため、各地の伝統工芸の漆器製造は中国の漆に頼らざるをえない状況となっています。
国宝や重要文化財は継続的な修復によって維持、保存されています。
多くの文化財には漆が使われており、国の定めもあって修復には国産漆が必要です。毎年生産される国産漆のほぼ全てが修復に使われていますが、それでも毎年2.2トンの必要量に対して現状の生産量は1トンほどしかありません。
国産漆の不足による修復作業の遅れは国宝や重要文化財に危機的な影響を及ぼします。
このままでは先人たちが守り続け私たちに引き継がれた日本の宝を、私たちの代で失うことになりかねません。
日本の文化財を守るために、漆を増やさなくてはなりません!
国宝・文化財に必要な漆は年2.2トン
※文化庁の試算
文化を守るということは、日本人が日本人らしく生きられるアイデンティティと誇りを守ることに他なりません。グローバルな社会だからこそとても大切なことです。
ウルシは世界でも東・東南アジアのごく限られた地域でのみ生息する樹木です。
樹皮に傷をつけると樹液が滲み出します。これを精製して塗料や接着剤などとして使われます。
漆は乾燥するとガラスと同程度まで硬くなり、酸、アルカリ、熱にも溶け出すこともなく、さらに抗菌作用があります。また採取、精製、塗り、乾燥という利用工程においても大量の水や電気を使うこともなく有害物質も出しません。
漆は安全・安心・エコな天然素材です。
海に流れ込んだプラスチックゴミが海洋を汚染し、地球規模の問題となっています。
生態系にも影響を及ぼし、漁網などに絡まったりポリ袋を餌と間違えて摂取するなどで、魚、鳥、海洋哺乳動物、ウミガメといった約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしています。
また、自然に分解されないプラスチックは小さな粒子となり、魚などを通じてわれわれ人間の体にも取り込まれていると言われています。
2050年には海洋プラスチックの量が海にいる魚を上回るという予測が出ています。
世界中でリサイクルや代替素材の開発など、さまざまな分野で対策が急がれている今、私たちは漆という優れた素材に注目しています。
漆は乾燥するととても硬くなる一方で、海に流れ込んでも紫外線と海水で分解され、プラスチックのように残って環境を汚染し続けるようなことはありません。
私たちは大学や企業の研究者と共同で漆を活用したプラスチック代替素材の開発や新たな用途開発、漆の素材産業化に取り組んでいます。
漆という再生可能で持続可能な資源を増やすことで、プラスチ ック代替などの研究を推し進め、その活用を拡げることで環境問題解決に貢献できます。
漆の森づくりを支援してください。
漆を増やすことは時間も手間もかかりますが、1本1本のウルシの木が日本の宝を守り、次の世代の未来につながると信じて、私たちは漆の森を拡げます。
どうぞ私たちに仲間になってください。共に漆を増やしましょう。
特定非営利活動法人(NPO)ウルシネクスト理事長 柴田幸治
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