漆の技術・文化・歴史を未来に残すために

漆は縄文時代以降、日本人は漆を植え、育て、掻き、そして様々なものに活用してきました。ウルシネクストは、これらから未来に向けて新しい漆との関係を築いていくためには、これまでの日本人と漆との関係の歴史やそれを支えてきた道具や技術、資料といったものを保存し、人材を育成して次の世に日本の漆をしっかりと継承していきたいと考えています。

漆掻きの貴重な情報を公開しています

青森県の新郷村教育委員会で教育長を務められた橋本芳弘氏は教職に就かれている頃から、夏休みなどを利用して全国の漆の産地を訪ね歩き、ライフワークとして漆に関わる歴史や文化を研究されてこられました。

橋本氏が収集されてきた漆に関わる情報は文化的にも歴史的にも貴重な資料でもあります。漆の技術、文化、歴史を残したいというウルシネクストの思いに共感いただき、ご寄稿いただいております。

上坂謙治さん・武信さん親子|漆掻きさん(6)

上坂謙治さんは、最後の漆掻き元締めだっただろうと考えます。 明治24年、福井県今立町朽飯に生まれます。明治38年には会津若松市の漆店に入社し、同42年に秋田県仙北町で漆採取に従事します。 そして、明治45年青森県田子町で...

増田三兄弟のこと|漆掻きさん(5)

増田三兄弟とは、福井県今立郡岡本村出身の増田家の長男淺吉さん、三男榮松さん、四男竹治郎さんの三名を指します。 淺吉さんは明治4年生まれ、三男の榮松さんは同12年生まれ、そして四男竹治郎さんは同15年生まれです。 榮松さん...

漆掻き作業のいろいろ その1|漆掻き技術(2)

原木の買いつけ 漆掻きを行うためにはウルシの木を確保しなくてはなりません。 一定の地域内にまとまった本数を確保することが理想ですが、原木(げんぼく)がないと言われる今日では年中林業関係者から情報を集めて探しまわり、その都...

小林忠兵衛さん|漆掻きさん(4)

福井県で発行された『服間ふるさと語り 漆・鎌・蚕』という書籍があります。 内容は、服間地区の人々への聞き取り調査がもとになっています。以下に示します。 初代小林忠兵衛さんは、福井県今立郡岡本村島の生まれで、本名は小林岩作...

越前式殺掻法の概要|漆掻き技術(1)

現在まで続く日本各地の漆掻き法は、越前式殺掻法(えちぜんしきころしがきほう)といわれるものです。 漆掻きさんに越前出身者が多いことはこれまでの記述からお分かり頂けたと思います。 越前の地から国内各地へ出かけていたことから...

佐々木官重さん|漆掻きさん(3)

前回の塚田傳兵衛さんの田子地方事業地の番頭の一人が、佐々木官重さんです(前回の左々木勘重という表記は、田中氏の間違いでしょう)。 平成20年ごろ、三男の方から伺ったことを記します。 父官重は福井県河和田村出身で、塚田傳兵...

塚田傳兵衛さん|漆掻きさん(2)

今回からは、何らかの文章に記された(記録に残る)漆掻きさんについて書きます。 東北の地で、越前(福井県)の漆掻きさんといったら、まず第一に挙げられる人物は塚田傳兵衛さんでしょう。 漆掻きさんからスタートし、多くの漆掻きさ...

技術発祥地は越前か?|漆掻きさん(1)

ウルシの木からその樹液である漆液を採取する作業を漆掻き(うるしかき)といいます。 また、その作業をする人も漆掻きと呼びますが、ここでは漆掻きさんと呼ぶことにします。 縄文遺跡から出土する櫛や弓などに漆が塗られているものや...

公益財団法人お金をまわそう基金の助成先団体です

ウルシネクストは内閣府認定の「公益財団法人お金をまわそう基金」の助成先団体です。

日本の歴史、文化、芸術、技術を支えてきた漆を後世に繋げていくための漆の森づくり、地域振興を目指す事業の公益性やその意義に共感いただき、助成いただいております。

お寄せいただいた助成金は、相模漆の復活で国産漆を増やす植栽事業に活用させていただきます。

皆様からのご寄付、ご支援をよろしくお願いします!