選抜された優良品種のウルシ苗植栽会に参加

11月2日(木)、茨城県常陸大宮市で行われた、日本産漆を支援する「NPO法人壱木呂の会」さん主催の「優良選抜ウルシ苗による植栽会」にウルシネクストも参加、全国から約30人の漆関係者が集まりました。

午前中は、併催された日本漆アカデミーによる「植栽適地研修会」が行われ、森林総合研究所東北支所で立地評価研究をご専門とする理学博士で講師の小野賢二氏より、実際の適地・不適地の土壌の断面を観察しながらの実地講義が行われました。

植栽適地研修会

同じ植栽地でウルシが育っている場所と育っていない場所の違いが外見では分からないのですが、双方の土壌の断面と土の質感を確認するとその違いは歴然で、「“ウルシの生育に適した場所=植栽適地”を見極めて植えることが、結果的に漆の生産量の確保には不可欠なんです」という小野氏の説明に皆納得していました。

小野賢二氏による土壌の断面を解説しながらの実地講義

午後からは「優良選抜ウルシ苗による植栽会」を実施。奥久慈漆生産組合の神長前組合長による植え方のご指導のもと、次の世代に繋げる見本林を作るため、選抜された4種類の優良品種のウルシ苗を参加者全員で植えました。

神長前組合長のご指導のもと色分けされた4種類のウルシ苗を丁寧に植栽

神長前組合長のご指導のもと色分けされた4種類のウルシ苗を丁寧に植栽

この選抜された優良品種のウルシ苗を使った植林は日本で初めてで、植栽後、壱木呂の会の本間理事長よりご挨拶があり、

「2009年⒒月3日に初めて植えた第1見本林の時から、神長氏の長年にわたる努力に、心よりの敬意を表し感謝を申し上げます。10年後のこの見本林が、瀕死にあえぐ日本産漆の植栽事業に、どのような形でも貢献してくれることを願ってやみません。皆様方が興味を持っていただき、これからもお力添えいただければ、未来のウルシ畑のありようが大きく変わっていくことでしょう。そうなることが、私たち壱木呂の会にとって、これ以上の喜びはありません。」

と、今回の植栽会への想いを語られました。

植栽会終了後後、想いを語られる本間理事長

今月下旬は、ウルシネクストと秦野の有志団体「丹沢漆の里ムーブメント」が、丹沢を再び漆の里として復活させようと取り組んでいる漆畑に神長氏をお招きし、植栽地やウルシ苗の生育状況にご助言をいただく予定にしています。

今回の研修会&植栽会での経験を、今後の植栽活動に活かしていきたいと思います。

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