オークヴィレッジ創設者、稲本正氏の「出版記念会とアカデミア賞受賞報告の集い」にお招きいただき出席してきました。

4月27日(日)、国際文化会館で行われた、オークヴィレッジ創設者、稲本正さんの「出版記念会とアカデミア賞受賞報告の集い」に、秦野でウルシ畑を協働で運営している平野君子さん(丹沢漆の里ムーブメント、「金継ぎ教室 淘」主宰者)と共に出席してきました。


会場となった国際文化会館(港区六本木)


散策しながら様々な木々を見ることができる庭園。桃山時代あるいは江戸時代の名残りを留めている近代庭園の傑作とのこと。
稲本正さんは、1974年、高山市内にオークヴィレッジを創設され、1994年には「森の形 森の仕事」で毎日出版文化賞を受賞。「森の惑星」プロジェクトでは世界の森林地帯を歴訪されています。林野庁林政審委員を10年間務められるなど、その数々のご経歴は書き切れないほど。。。トヨタ白川郷自然學校設立校長でもあり、昨年、これまでの多くの功績から、旭日双光章を叙勲されました。
現在、2027年国際園芸博覧会(横浜)を契機としたイベント学会の「日本を元気にする横浜モデル」提言の副委員長を務められています。今年1月に、同博覧会で使用を計画されているウルシの件で、思いがけないきっかけで平野さんとの交流が生まれ、今回のご縁につながりました。
その提言の一つに、縄文以降の立地特性を活かした「横浜 食と健康の森・自然学校」があります。日本人は縄文時代以降、森が産み出す食料を採取して命を繋ぎ、それを生み出す植物の力を学んで多種多様な果樹や雑穀、野菜、薬草を生み出し改良してきました。その先人の知恵を学ぶと同時に、市民参加による新しい対話と交流の場を構築し、「豊かな森」を体験学習できる「横浜 食と健康の森・自然学校」プロジェクトを、公園事業に継承し、中長期的には横浜市の「市民の森」と連携・展開していく事業にしていこうというものです(注)。
(注)イベント学会『日本を元気にする横浜モデル』研究会資料より抜粋
稲本さんからの依頼を受け、秦野のウルシ畑では、同博覧会用に予備本数を含め12本のウルシ苗を大型の不織布プランターに入れて、他のウルシと同様に、鹿対策を施した畑で大切に育てています。


秦野市柳川地区のウルシ畑


国際園芸博覧会用の12本は不織布プランターに入れて栽培
なお、4月27日のセレモニーには、青山豊久/林野庁長官や、中村利雄/愛・地球博事務総長・イベント学会会長、野中ともよ/ジャーナリスト・ガイアイニシアチブ代表、河口洋一郎/アーティスト・東京大学名誉教授など、各界の錚々たる方々約100名がお祝いに集まりました。
稲本さんが提唱するのは、生物の基本は、「競争進化」ではなく「共生進化」であること。「植物は自分だけでも生き延びることができるが、動物は植物がないと生き残ることができない」という自然界の法則の中で、勝った者が生き残る「競争進化」への人類の勝手な思い込みによって、日々、如何に生物全体と自らの存在基盤を壊しつつあるかということを、問われています。
全日本学士会が授与するアカデミア賞受賞、並びに最新著書出版を記念して開催された今回のセレモニーは、「共生進化」について共に考える集いでもありました。


「共生進化」について語る稲本正さん


左は最新著書の『戦争とパンデミックのない世界へ』、右はリニューアル定本化した『脳と森から学ぶ日本の未来~共生進化を考える~』


オンラインサイト「共生進化ネット」。稲本正さんがナビゲーターとなって、様々なゲストとインタビュー形式でテーマを深掘りします。
執筆者プロフィール


- 特定非営利活動法人ウルシネクスト 理事
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