「日本一のうるしの郷を巡る2日間」のツアーに参加

10月4日(土)、5日(日)の2日間、「文化庁・令和7年度ふるさと文化財の森システム推進事業・普及啓発事業」の一環で、「日本一のうるしの郷を巡る2日間」という10名限定のツアーがあり、後学のために体験参加してきました。参加者は7名(応募者は8名だったが1名が当日急きょ都合が悪くなり不参加)。4名は県外からの参加で、東京、千葉、京都と遠方からこのイベント目的で来られた方々でした。漆づくしの2日間の主なスケジュールは次の通りです。
《初日》
12:00 二戸駅集合
12:20~13:00 自助工房「四季の里」で昼食
古民家造りのお店でいただく、地元産のそば粉を使った手打ち蕎麦のお膳
13:10~14:10 小西美術工藝社二戸支社 社屋見学
二戸支社の事業内容や役割、文化財の修復と漆全般についてのお話を伺う
14:20~16:10 鍛冶工房見学、和ろうそく作り体験
今年4月に滴生舎敷地内に創設された、漆搔き専門道具の製作工房の見学
漆の種から漆蝋を抽出して作る、和ろうそく作り体験ワークショップ
16:40~17:20 地元酒蔵「南部美人」見学
創業当時からの蔵や木造、土壁建築の見学、日本酒の製造工程や最近手掛けているウイスキーの仕込み樽の見学など
17:30~19:30 同酒蔵内「hongura」で夕食
酒蔵を改装した「hongura」で、二戸市内のレストランによる出張ディナー
蔵内のあらゆる種類の南部美人の銘酒が飲み比べ放題!
《2日目》
9:00 ホテル出発
9:30~10:30 「浄法寺漆共進会」見学
今年は二戸市・浄法寺町合併20周年ということで、共進会も特別企画展を実施、全国の漆搔き関連団体や採取した漆を紹介
10:45~12:15 ふるさと文化財の森「浄法寺うるし林」にて漆搔き実演&体験
二戸市浄法寺総合支所・漆の郷づくり推進課副主幹 内田氏による、ふるさと文化財の森「浄法寺うるし林」の解説
小西美術工藝社の遠藤氏を講師として漆搔き実演や体験会を実施
12:30~13:20 滴生舎にて昼食
13:20~14:15 滴生舎漆器工房見学・買物・天台寺見学等
14:30~16:00 小西美術工藝社・代表取締役社長 デービッド・アトキンソン氏による特別講演を拝聴
20周年記念式典の第2部として行われた特別講演会
講演テーマは「浄法寺漆と国宝・重要文化財~復活の10周年から、次の10年に向けて~」
16:20頃 二戸駅着・ツアー終了
共進会では、想像していたより多くの若い関係者の皆さんが参加し、全国から視察に来られていて、何か漆業界の明るい未来を少し垣間見られたような、そんな希望を持ちました。また海外から、台湾で漆芸に携わられている方々が行政の方と一緒に団体で視察に訪れていて、漆搔きの実演にも同行し、熱心に取材を行っていたのが印象的でした。
今回の「日本一のうるしの郷を巡る2日間」、現地で知り合いの方々ともお会いし情報交換もできて、密度の濃い充実のツアーになりました。


中学校の校舎を活用した小西美術工藝社二戸支社の社屋


担当していただいた遠藤氏による漆の解説


滴生舎についての説明を受ける


今年4月に創設された漆搔き専門道具を製作する鍛冶工房


鍛冶工房内部の設備


漆蝋による和ろうそく作り体験、種外側の籾殻を振るい落とす作業


振るい落とした籾殻を蒸し、圧縮をかけて蝋を絞り出す


絞り出された蝋


固まった蝋を溶かし漉して、再び温め型に流し込む


10分ほど放置し型を外したら和ろうそくの出来上がり


南部美人の酒蔵を改装した「hongura」


木造の仕込蔵


仕込み・熟成中のウイスキー樽


「hongura」での夕食、漆器でいただく食事と南部美人の銘酒


浄法寺漆共進会


全国の漆搔き関連団体紹介パネル


ふるさと文化財の森「浄法寺うるし林」で、台湾からの団体の皆さんと一緒に内田氏のレクチャーを受ける


「浄法寺うるし林」


小西美術工藝社遠藤氏による漆搔きの工程解説と漆搔き実演


小西美術工藝社遠藤氏による漆搔きの工程解説と漆搔き実演


ツアー参加者による漆搔き体験
執筆者プロフィール


- 特定非営利活動法人ウルシネクスト 専務理事
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